「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまう…」
「人を育てる余裕がない」
「定着率が悪くて、毎年同じところでつまずく」
中小企業でよく耳にする悩みのひとつが、人材の“定着と育成”。
どんなに良い人材を採用しても、育てられずに辞められてしまっては意味がありません。
この記事では、社会保険労務士の視点から、「人が辞めない会社」の特徴と、定着・教育の仕組みづくりについて解説します。
また、実はあまり知られていない、社労士が人材育成にも関われる理由についてもお伝えしていきます。
1. なぜ人は辞めてしまうのか?
「最近の若者はすぐ辞める」とよく言われますが、
それだけで済ませるのは簡単すぎます。
社労士として現場を見てきた中で、多くの離職理由に共通しているのは、次の3点です:
- 期待していた環境と現実のギャップ
- 人間関係やコミュニケーションの不足
- 何を求められているか分からない不安
つまり、辞める理由は「給与が安い」や「仕事がきつい」だけではなく、
“育てる側の準備不足”が原因になっているケースも少なくありません。
2. 人が辞めない会社はここが違う
では、逆に「人が辞めにくい職場」は何が違うのでしょうか?
多くの定着率が高い会社には、以下のような共通点があります。
- ルールや制度が明確である
就業規則・雇用契約書・評価制度など、働くうえでのルールが整っており、社員に伝わっている。 - 教育・指導が“属人化”していない
人によって教え方が違う、感覚に任せた指導ではなく、社内で共通の基準がある。 - 定期的なフォロー・面談がある
月1回の1on1や、試用期間中の振り返りなど、声をかけるタイミングが仕組み化されている。
こうした「仕組み」と「関係性」の両立が、定着率アップには欠かせません。
3. 社労士が「育成・定着」に関われる理由
社労士というと「手続き屋」「法令の専門家」というイメージを持たれがちですが、
実は人材育成や定着支援にも関わることができる職種です。
たとえば、こんなことが可能です:
- 就業規則の見直し(育成・研修ルールの明記)
- 評価制度・フィードバックの仕組み構築
- 入社後の説明資料・マニュアル整備のアドバイス
- 試用期間中の対応・延長・終了判断の相談
また、外部の立場だからこそ言えるアドバイスや気づきも多く、
従業員との面談や、管理職研修の支援などを行うこともあります。
社労士は、制度と人との橋渡し役でもあるのです。
4. 育成の仕組みが、会社を強くする
育成の仕組みが整うと、以下のような良い循環が生まれます。
- 教える側のストレスが減る
- 新人が成長しやすくなる
- 人が辞めにくくなり、採用コストが下がる
- ノウハウが組織に残り、引き継ぎもうまくいく
逆に、仕組みがないと…
- 「あの人次第」の属人的な教育
- 同じミスが繰り返される
- 人が定着せず、雰囲気も悪くなる
育成は「根性」ではなく「仕組み」なんです。
5. “人を育てる会社”を一緒につくりませんか?
「うちにはそこまでの余裕がない」「時間がないから仕方ない」
…そう思う気持ちもよく分かります。
でも、本当に人が辞めてしまうたびに、どれだけのコストと時間がかかっているでしょうか?
定着し、育つ仕組みを持っている会社こそ、未来に強い。これは間違いありません。
社労士は、労務のことだけではなく、
「人を育てて辞めさせない組織づくり」の伴走者にもなれます。
まずは、小さなご相談からでもOKです。
一緒に“育てる会社”をつくっていきませんか?
※この記事は2025年4月時点の情報に基づいています。